PIVOT 試聴と楽曲解説

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PIVOT

Musician

篠田元一 (keyboard, Piano)

水野正敏(Bass)
矢堀孝一(Guitar)
木村万作(Drums)
原田芳宏(Steelpan)
PIPO HORN

  • Produced by 篠田元一
  • Co-Produced by 水野正敏

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1.PIVOT

曲名通り、PIVOTのテーマ曲です。僕のイメージするメカニカルなリズムとハイブリットなハーモニーを集結させたような曲です。ベース・リフの上で展開されるホーン&ギターによるテーマはスピード感に溢れるアクティブなアプローチをとっています。またアドリブ部は変拍子を含む複雑な進行で構成されており、僕も矢堀氏も独自の自由な発想でソロをとっています。この辺も聴きどころになるでしょう。

この曲は、いろんなミュージシャンと共演してきましたが、このメンバーでやると一段とパワフルでライブ感の高いスリリングな演奏になるようです。

2.Urban#2

夕暮れの高速道路を走りながら、都心を眺めているときにイメージが浮かんだ曲です。シンプルでメロディアスなモチーフは、FMラジオから流れると心地良いかな、という感じで作りました。リゾート地用のBGMにも最適かも。

クラブ系のリズムを基調に、お洒落なコード進行を乗せた展開になっていますが、メロディアスな流れの中には高度で緻密な音楽展開をいろいろと封じ込めています。“篠田らしさ”がよく出ている曲かな、と思っています。

3.Light Pink

ちょっと先鋭的な4ビート・ジャズを狙った曲です。コード進行はスタンダード・ナンバーに見られるような一般的な進行はなく、非典型的・非機能的な進行で流れを浮遊させています。だから、この曲はいろんなミュージシャンと演奏しても、いつも“ワケわからん~”と、クレームが飛んできます。実際、ソロはとりづらい・・・(笑)。カルテット形式で演奏していますが、原田氏のスティールパン(スティールドラム)がユニークな彩りを添えてくれています。ちなみに、僕の演奏しているRhodesは高校時代からのお宝です。

4.Night Wave

南国の夜の海、そして波音…。そんなイメージを思い浮かべながら作った曲です。昔に書いた曲ですが、今までのライブ演奏のなかでも多くの方から好評をいただいているナンバーです。この曲は、イントロからエンディングまで30分ほどで何の迷いもなく一挙に書けました。それだけに全体を通して美しく、自然に流れる展開になったと思います。映画音楽を作るような感覚で臨んでいきましたが、また別のアレンジでもやってみたい愛着のある曲です。

5.Caribbean Funk Method

矢堀氏の楽曲(fragileの1stアルバムにも収録)。オリジナルよりもテンポを落とし、都会的なフュージョン色を高めたセッションになっています。あえて矢堀氏は加わらず、僕のピアノと原田氏のスティールパンをフィーチャーした構成になっています。複雑なラインとリズムで絡められたテーマがとても印象的な曲ですが、やっかいなコードが多用されていてアドリブをとるのにも苦労しました。また後半では原田氏の知的なソロが展開されます。サウンドを支える水野氏のクールなベースと木村氏の熱いドラミングも聴きどころでしょう。

6.庭に鰐

同じくfragileの1stアルバムに収録されている水野氏の曲。オリジナルとは雰囲気を思いっきり変えるために、水野氏・原田氏とともにトリオ形式でほとんど取り決めもないままセッション・レコーディングしたものです。ECM系とも、耽美的とも表現しがたい、何とも言えない独特の空間的な質感が得られたようで、とても気に入った作品になりました。曲タイトルには水野氏のユニークさが反映されていますが(笑)、楽曲自体がシンプルなだけに、ミュージシャンの力量がモロに問われるコワい曲でもあります。実際、演奏してみて、とても勉強になりました。

7.Smash

僕の音楽ルーツのひとつである、プログレッシブ・ロックの思考で作った曲です。シャッフル・ビートのリズムに変拍子が多用された複雑な進行が組み込まれており、ソリストのバックグラウンドもクラシカルな展開で刻々と変化していきます。テーマのメロディも単純なコードに対して、多様なスケールでメカニカルにアプローチしています。複雑な作風に各メンバーのパワフルな持ち味が加わり、ダイナミックに仕上がりました。でも、ライブでやるのはちょっと大変かも……。

8.エメラルドの波紋

ピアノ小曲。作曲にあたりテーマにしたのは「湖のエメラルド色」。ひとつの物語をイメージしながら、静寂だけでなく、神秘的な強さや深さを表現してみようと思いました。即興を繰り返しながら作った曲ですが、気がつくと現代音楽風の作品になっていました。

このピアノ・ソロ曲を聴いて、以下のような物語を作ってくれた人がいました。参考までに掲載します。

少年と妖精の物語

ある子供が生い茂った森に迷い込んで、ひたすら歩いていると、小さな湖にたどり着いた。
あたりは、とてもひんやりしていて、静まりかえっている。
ほんの少し霧がかかって、なんだか不思議な空気がただよう湖…。
子供はそっと水鏡に自分を映してみる。
水は澄みきっていた。一点のくもりもなく、水面にはもう一人の自分がいた。
その澄みきった水面の美しさに魅せられて、思わず、指先を水面に触れさせてみた。
触れた瞬間、水の波紋が広がり、水のそこから、まばゆい光が子供を照らした。
静まりかえっていたその湖はざわめきはじめる。
木々が揺れ、風が吹いてくる。
子供は少しとまどいながら、水の中をのぞいてみると、
光の奥から小さな妖精がたくさんでてきた。
小さな妖精は次々と水の外に出てきて、子供を取り囲んでいった。

9.Crax

最後は、ホーン・セクションが加わるハードロック趣向のナンバー。「キーボーディストが作る曲とは思えない」と、よく言われますが、実はハデなロック・サウンドも昔から好きなのです。ただ、単純なハードロックでは済ませません(笑)。ギターによるテーマのメロディはシンプルなフレーズですが、同一フレーズでもコードは刻々と変化し、アグレッシブなサウンドを作っています。また曲中では、篠田vs矢堀のソロ・バトルが展開されます。矢堀氏は意外にもクリーン・トーンで“知的”に迫ってきたので、篠田はシンセにディストーションなどを効かせて“感情”で応戦しています。

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