PIVOT 制作ドキュメント

レコーディング3 (キーボード、ピアノ)

篠田元一

篠田のキーボードやピアノ・パートの収録。これは、自分のアルバムですから、とても重要なのは言うまでもありません(笑)。もちろん、メンバーのパートの収録に先駆けて、オーディオあるいはMIDIで自分のパートをプリプロ用に仮録音をしておきました。ただ、そのときは当然、生演奏でなく、MIDIの打ち込みのバックグランドで演奏していたために、バックが生演奏に差し換われば、僕自身の演奏も、タイミング的にも、フレーズの抑揚も、音色などのニュアンスも微妙に変える必要性が出てきます。また、バンド・アンサンブルとしての一体感、ライブ感を与える上でも、ここは気分を一新して、再度、全編にわたり演奏し直したくなるのは当然でしょう。

実際のソロ、バッキングの収録においては、自分が納得いくまで、かなりテイクを重ねました。ここはプライベート・スタジオの強みでしょう。ただ、演奏を作りこんでしまっては、本来の演奏表情が欠けてしまうし、“汗”を感じさせるPIVOTサウンドとしてのテーマも希薄になってしまいます。だから、多少のミス・トーンやリズムをハズしてしまっても、バックとともに一体感と勢いのあるテイクは、それは良しとして、何の手も加えずそのまま収録しています。キーボード、ピアノの本収録は、5月の連休開けから5月末にかけて行ったのですが、その間、演奏面だけでなく、キーボード・パートやシンセのアレンジの見直し、ピアノ収録のサウンド作りや試行などを同時に進めていきました。

篠田元一仮録音されたシンセ・パートの大半は、気分を一新して再度、レコーディングしました。生のバックグランドに合わせて演奏すると、ノリもかなり変わってきます。併せて音色面のグレード・アップもはかりました。
篠田元一5月はいろんなプロジェクトが併行しながらのレコーディングでしたが、それでも好きな時間に好きなだけレコーディングができるメリットは大きかったです。
篠田元一この時期は、演奏の収録だけでなく、シンセ・パートのアレンジも練り直しました。全体のリズムのタイトさを活かすために、かなり音を整理したと思います。
機材たち今回の本レコーディングで中心的に使用したシンセ、音源を紹介しましょう。

Piano

YAMAHA Grand Piano C3

Electric Piano

Rhodes Suitcase 73Key

Master Keyboad & Synth

XV-88,XP-80,VK-7(Organ),NordLead
DX7-II FD(EP),MINI MOOG

Synth Module(右写真、上から)

  • WaveStation A/D(Padで少々)
  • VP-9000(生ホーンの補正などで)
  • S3200(ストリングスなど)
  • JV-2080+8EXP(全般的に多用)
  • D-550(Bell Pad系で少々)
  • TG77(シンセ臭いサウンドで)

 

篠田元一

Piano、Rhodesのレコーディング

篠田元一

ピアノピアノの収録模様です。ピアノがフューチャーされている楽曲では、このYAMAHA C3を演奏しました。アドリブなどは何テイクも録ったのですが、最終的は最初の段階のテイクがOKテイクとなるという、よくある話です(笑)。また、良い音を収録するまでに、かなり試行錯誤を繰り返しましたが、その分、今までこのスタジオで収録した音の中では、ベスト・サウンドが出せたと思っています。
ピアノピアノの収録マイクには、AKG C-414B-ULSをステレオで使用使用し、一部ではAKG C451EBも併用しています。また、オフ・マイク的にRODE NT2も使いました。
Rhodes「LIGHT PINK」などの楽曲では、エレピはRhodes Suitcase 73Keyを使いました。このRhodesは僕が高校3年のとき、確か58.5万くらい?で購入したモデルです。最近では、よくライブにも持ち出しているのですが、コレがまたメチャクチャ、良い音がします。あの独特のトレモロもばっちり効いています。ちなみに、上に乗っかっているのはMINI MOOG。これも現役なのですが、ピッチが全然安定しないので、シンセ・ベースの音を作り、S3200にサンプリングして「URBAN#2」などで鳴らしています。
RhodesRhodesのタッチは、ちょっと独特です。浅いんだけど、軽く弾きすぎると音が出ないし、勢い余って弾くと、音が突き上げて歪みます。そこがまた“味”になるわけですけど。長年弾いてきた楽器なので、とても愛着があり、今回のレコーディングで使えてとても嬉しく思っています。なお、Rhodesのスーツケース・ピアノは収録方法もいろいろあるのですが、今回はステレオのラインのみで行いました。
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