源氏物語交響絵巻 日本公演

Share Button

立体音響仕込み

グループショット

コンサートを約1カ月に控えた1998年10月26日、RSS立体音響の仕込みと確認作業のために、先生と一緒に浜松にあるローランド浜名湖スタジオに足を運びました。ここはロケーションも素晴らしい名スタジオで先生も僕も何度となくおじゃましています。ローランド・サイドで今回のプロジェクトに中心的にご協力頂いたのが、RSSの“生みの親”であるボス株式会社プロジェクト部プロデューサーの大和 誠さん(上写真一番右)とおもにシンセ・サウンドの音作りの面で参加して頂きましたローランド株式会社プロジェクトサポート部の湯川純郎さん(上写真右より2番目)です。両氏とも、開発者としてだけでなく、クリエーター/アーティストとしても素晴らしいお力を借りた次第です。無論、両氏に加えて、多くの開発陣や営業推進の方々など、多くの関係者からも惜しみないご協力を頂きました。この場を借りまして、深くお礼を申し上げます。

さて、今回のコンサートでのRSSの活躍場としては、曲中の「生き霊が浮遊する夜」のところです。ここは生き霊がNHKホールを駆け巡るというコワ~イ効果を音楽的に演出するのが狙いなわけです。作品の大きな聴き所と言ってもいいでしょう。実際、コンサートに来て頂いた方なら、四方八方から流れ出す、怖くて不気味な生き霊サウンドを体感していただけと思います。ちなみに、お寺の鐘音などのSEや大胆なグリス・ストリングスのMEなどもRSS処理で鳴らしています。

実際の作業としては、先生がRSS処理したい曲素材などを、いろんな要望を添えてあらかじめロ-ランド・サイドに送り、大和さんにRSSシステム上でプログラミングしてもらい、それを先生が聴きながら再構成してプログラミングしていく、というやりかたで進めていきました。それらプログラミングされた演奏データは鍵盤上に複数アサインさせておき、本番のステージでは手弾き演奏の合間などに先生の指揮のもとに組み合わせながら鳴らしていくというのが僕の役目になります。

仕込み時のサウンドの確認は、NHKホールの響きを考え、スタジオのスペースよりは広い方が適しているということで、浜名湖スタジオのロビーを仮設ホールとして見立てて行われました。ちなみに音は当然、スタジオの建物内に響きわたりますから、受付の女性社員などは連日連夜、このサウンドにうなされていたと思うと気の毒でなりません(笑)。それにしても、音を聴いた途端、圧倒されました。とにかくコワいのですが、それを通り越して神秘的でもあります。RSSの驚異的な効果を新ためて再認識するのと同時に、自分の役目の大きさを知りました。

当日は、先生はスコア書きが佳境を迎えている最中だっただけに、朝一番の新幹線で浜松へ向かい、午後1時過ぎには浜松を経つという強行スケジュールでしたが、とても興奮と充実時のある時間が過ごせました。車中での会話を含め、先生の音楽に対する熱い情熱をモロに感じとることができ、僕自身も激を飛ばされた思いです。

ローランドまずは、RSSの効果を確認。それにしても、すごいサウンドです。圧倒されました。
RSS大和さんは数台のVS-1680を使用して膨大なチャンネルのRSSサウンドをミックスしていきます。ちなみに大和さんとは15年以上のおつき合い。以前より大和さんのRSSデモに魅せられて僕もRSSユーザーです。
冨田先生RSSの効果を先生とともに確認。先生は「お客さんからみれば前方は生のオーケストラ・サウンドなのだから、生き霊の登場はいきなり後ろから鳴り始めた方が効果的だろう」、などとユニークなアイディアを続々出してきます。
音出しステージでのRSSの音だしは、すべて僕の役目です。手弾き演奏の合間だし、結構、神経使いますよ(笑)。
機材たち仕込み時に使われた機材群、ラック内には多数のRSS-10が入ってます。ラック上にはハーモナイザーなどのエフェクターも使われました。
機材たちカード・メディアのプレイバック専用サンプラーH-AR2000も多数使われました。
機材たちおもに手弾き用の音源。この時点では、自分の中ではJV系のモジュールを数台使うという程度のことしか決まっておりませんでした。
音色決めスタジオ内に場所を移し、今度は僕の手弾き演奏用の音色決め。オーケストラのなかでは、おもにシンセ・ベル系、コーラス系、チェレスタ系、ストリングス・パッド、ピアノなどのパートを演奏しました。湯川さんから特別に良質のサウンドをたくさん用意してもらい、その中から先生とチョイスしていきます。ここで選んだ音色は、今回のコンサート用として、何と特別にエキスパンジョン・ボート(「源氏スペシャル手弾き用」)として焼いて頂けることになりました。そのおかげで、サンプラーを使用することなく、贅沢にメモリーを使った音色を瞬時に鳴らせるようになるわけです。
ツーショットとにかく、先生は短いパッセージで使うような音色1つにしても、まったく妥協しません。さすがにシンセの音はうるさいです(笑)。デジタル系ではベル系のサウンドが好みのようですが、これもリリース部に含まれる倍音成分までも細かい要望が入ってきます。僕自身、音色に対する考え方など、とても勉強になりました。また、寺の鐘などの一発モノのSEに対しても強いこだわりがあり、実際、本番では某お寺の鐘をサンプリングして鳴らしています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です