ジャズ・ピアノとの出会いなど

 今日は連日の猛暑からいきなり9月下旬のような涼しさ。この歳になると体がついていけません。これから本格的な暑さが続くようですが、みなさんも熱中症などにかかりませんよう、ご自愛ください。
 今日はちょっと思い出話など。僕が最初にジャズに目覚めたのは大学1年生のときでした。それ以前にもハービー・ハンコックのヘッド・ハンターズやチック・コリアのリターン・トゥ・フォーエバーなど、クロスオーバー(のちのフュージョン)などにハマっておりましたが、完全アコースティックなジャズに目覚めたのは、大学時代からでした。
 大学2年のときから、当時のアイドルであった小柳ルミ子さんなどのバックバンドでピアノ/キーボードをやり始め、未熟ながら一応プロ活動がスタートしたのですが、それに併行して、とにかくその頃はジャズ・ピアノに強く興味を抱いておりました。
 当時は、ジャズ・ピアノといっても瞬間的に押さえるあのテンションが盛り込まれたボイシングは全然わからなかったし、カッコ良く演奏しているジャズ・サークルの先輩に「今、どんな押さえ方したのですか?」って聴いても、「そんなの自分で考えろ。教えない」って叱られたり(笑)、また当時はジャズ・ピアノの教則本なんてほとんどありませんでした。
 そんなわけで独学に限界を感じて、大学に通いつつ、バックバンドの仕事もしつつ、その合間にジャズの音楽学校にも通いました。考えてみれば結構ハードな学生時代。音楽学校では、今では日本を代表する大プロデューサーである笹路正徳氏にジャズの手ほどきを受けました。笹路師匠は、もうあこがれのプレーヤーだし、そんな師匠には、後に僕の2枚目のソロアルバム『Floating Colors』のプロデュースもしていだだくのですが(関連記事1 / 関連記事2)…この辺の絡み話を書き出すと大変なので別の機会にでも….。
hampton で、話を戻すと、ジャズに関して何もわからない僕が最初に学んだのはやはり耳コピの実践でした。最初にコピーした曲がハンプトンホーズ『Hamp’s Piano』の1曲目「Hamp’s Blues」というFブルース。F7を左手で下からEb-A-Dと押さえた瞬間、「うゎ、これってジャズじゃん!そうか、そうことだったのか」と感動したのは今でも忘れられません。というか、このときの感動がなかったら、多分、今の音楽をやってる自分はなかったと思います。それはそれはとても大きな大発見だったわけです。もうそれからは耳コピに明け暮れてましたが、当時はCDやMDではなくカセットであります。巻き戻しの酷使で一体何台カセット・レコーダーを壊したことでしょうか(笑)。
 「Hamp’s Blues」は、僕にとって忘れられない曲。今聴いても、ここから学んだフレーズが自分のプレイのエッセンスとしてたくさん残っているような気がします。そんなわけで、今でも自分の弟子達には、この「Hamp’s Blues」のコピーをさせてたりもします。弟子諸君、君たちもがんばりたまえ~(笑)


 20110702話しは変わって、先日、あるイベント会場で、オルガニストの橘ゆりさんとお会いしました。今まで、ご挨拶程度の機会は何度かあったのですが、こうしてお話させていただいたのは始めてでした。橘さんといえば、小学生の頃、親に隠れて(笑)見てた「11PM」でのハモンド・オルガンの演奏がとても印象深く残っているし、最近はローランドのアトリエ・オルガンでのすばらしいステージ演奏を何度か聴いておりました。子供の頃、テレビで見ていた羨望の美しい方と、今こうして目の前でお話できることがとても感慨深い以上に嬉しかったです。とてもあたたかい雰囲気を持ったステキな方でした。

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