第4回: 水野正敏 氏
ゲスト
水野正敏氏(ベーシスト/プロデューサー)
ゲストの方のご紹介
“毎度・毎度~”の水野さん(笑)は、1954年5月7日大阪市生まれ。19才でベースを手にし、20才でプロ・ベーシストとしてデビューしました。1984年に上京。1987年迄、甲陽音楽学院/キャットミュージックカレッジ専門学校/アン・コンテンポラリーミュージック等で講師を務めています。その間、親善大使としてアフリカ・ツアー参加。1995年にはPONTA BOXのメンバーとしてモントルー・ジャズ・フェステェバルに出演しています。参加バンドはFRAGILE、PONTA BOX 、シャクシャイン、Portfolio、3X3、JARGON、The Dabblers、そして篠田元一PIVOTなどなど。ベーシストのみならず、プロデューサーとしても活躍し多くのアルバムを手掛けております。ソロ・アルバムには、「METHOD」/METHOD <Sub Conscious Label>、「Recollection」/AcousticDuo<クラウン>があり、また、教則本や教則ビデオなども数多く発表しています。ご活躍の様子は水野さんのWebサイトをご覧ください。
どんな間柄?
96年のPIVOT結成のときに、ギタリスト矢堀(孝一)君の紹介で、メンバーに加わっていただきました。会ったその日から、圧倒されっぱなしです~(笑)。
この雑談のきっかけ
PIVOTの再結成の話しを、水野さんに今年(2000年)の初頭に持ちかけたら、快く引き受けてくれました。メンバーからも全員賛同が得られ、“ならば、CDも出しましょ”という話しに。その後は水野さんにプロデュースをお願いしたら、話しが急加速されて、この日は今年2回目の顔合わせというのに、アルバムの選曲&方向付けの打ち合わせとなりました。以下の雑談は、事務所サーバーを介してチャット・スタイルで行われたものです。掲載可能なものだけですが……(笑)。
雑談場所/日時
場所:モトミュ-ジックの篠田部屋。
日時:2000年2月13日 18~23時
ワンショット雑談
- 篠田
- 水野さん、またご一緒できて楽しくなりそうですね(笑)。
- 水野
- そうですな。PIVOTを盛り上げて、まずはお金儲けですな~。
- 篠田
- ……あ、はい……(苦笑)。
- 水野
- いやいや……お金……だけではない……かな?。
- 篠田
- うぅぅぅぅ(泣)。それじゃ、とにかく売れたら一緒に遊びに行きましょう。銀座・赤坂で酒池肉林! いいですね。たまには、こういうミュージシャンっぽくないのも(笑)。篠田は一度経験したい(笑)。
- 水野
- おぉぉおおおお!!行こう!!、遊び、遊び、楽しい~~~!!
<~延々、掲載不可能な話題が続いたので割愛……(^ ^;)>
- 篠田
- 水野さん、落ち着いて! そろそろ音楽のお話しましょ(笑)。
- 水野
- お金……だけではない……がッ!それだけでも良い、ダハハハハハッ!!
- 篠田
- (ムスっ。)お食事は洋食屋をキャンセルして、スタッフの備蓄しているカップラーメンでもいいですか(笑)。
- 水野
- あ、すまん。すまん。そうですな。タコ焼きと焼鳥食べ過ぎたけど、オムライスも食べないと……。それとPIVOTのアルバム化ですな。
もうお腹一杯や~。あ、、しんどい。けどウマイか?
- 篠田
- そうそう……そういうの(ここから、やっとまともな会話になる)。
- 水野
- え~とですね、制作界で知る人ぞ知る篠田元一となっていても、ミュージシャンとしての篠田元一としてはまだ十分に評価されていない。これは音楽界にとって損失だなと思ったんですな。やはりミュージシャンとしての評価はアルバムですし表現方法でもアルバムだと制約がなくなるわけです。制作では良くも悪くもクライアント命の部分が多々ありますからね。
- 篠田
- ふむふむ。今までアーティステックな活動をもっとしたかったんですけど、ここ数年来、目先に迫り来る仕事に追われてしまい、やりたいことを今までたくさん置き去りにしてきてしまいました。だから、今年は何か自分でも、意識転換したいなぁ、と思って水野さんにプロデュースを持ちかけたんですよ。
- 水野
- 制作仕事というのは、例えば“ナニナニ・ドラマの音楽は誰々”“ナニナニのデータを作っている誰々”といういように、まず最初に、アーティストの名前が優先してきませんな。だから、相手に自分をアピールするにも話しが回りくどくなりがち。でも、リーダー・アルバムを出し続けていけば、どんなことをしてます?と聞かれても、そのアルバムを見せるだけで、くどくどプロフィールを語る必要もなくなるでしょう。これは、実は明解だし、そこから、篠田くんの仕事の幅もより広がるはずだし。
- 篠田
- 水野さんに面倒みてもらえるなら鬼に金棒でしょう(笑)。昔、一緒にPIVOTやっているとき、あの勢いで、すぐレコーディングに突入したかったんですけど、水野さんとヤボちゃん(矢堀君)がフラジャイルに行っちゃったから、その動向や自分でもPIVOT再結成のタイミングをこっそり探っていたんですよ(笑)。水野さんは、もっと男っぽい音楽を目指している感じもしたし。
- 水野
- 意外と篠田君は気を使う繊細さを持っているように映るように思わせるように騙すのが巧い……? おぉすまんすまん、本当に繊細な気遣いをありがとさん。PIVOTの音楽は私の守備範囲外だったことは事実。しかし篠田君の音楽性の高さを表現するのには十分力になれると自負しているよ。だから今回のアルバムは篠田元一PIVOTの原石の色合いを崩さずに磨き上げられたらと、思っている。
- 篠田
- ありがとうごいざいます。水野さんのようなタイプの人は、正直言って、僕のまわりにはいませんでしたよ(笑)。最初は水野さんの“毒”に戸惑っていました(笑)。でも、いろいろ話しを重ねているうちに、音楽に対する情熱や姿勢というのは、背筋を正された思いです。何だかんだ言っても、すごいアクティブでマメだし、先々のことまで考えているし……。
- 水野
- 先々のことまで考えないと借金はでけん!!ガハハハハハハッ!!
- 篠田
- 水野さん、水道また止められないようにしてくださいよー(笑)。ところで、篠田元一PIVOTのセールス・ポイントなどを、プロデューサーとしてのお考えをひとつお願いします。
- 水野
- まず篠田サウンドは誤解を恐れずに言うと私の好きなフュージョン・サウンドなんですな。リゾート地でゆっくりと寝ながら聞きたい心地よい音楽でもあります。しかし篠田ミュージックは、過激なもう一つの顔を持っている。だからその一見相反するサウンドをどうミックスするかが、ポイントになるでしょうね、イヤホンマ。とにかく今までの篠田ファンはもちろんのこと新しいファンが確実に増える内容になるでしょう。
- 篠田
- なかなか個性派揃いのメンバーに囲まれて、篠田は自由に幸せ一杯泳げそうです(笑)。
- 水野
- それと、篠田君自身は、曲の良さを伝えるだけでなく、ピアニスト、キーボーディストとしての腕前をどんどんアピールしていくべきでしょう。制作の世界は得てして楽器奏者としての実力をアピール出来ない場所です。別な言い方をすれば演奏能力より楽曲完成力を求められる世界ですな!その制作の世界が長かったことが世間への認知度への低さにつながったかも知れん。まぁ「制作界だけで生きるには惜しい」という実力を今回のアルバムで分かってもらえるでしょうな!!
- 篠田
- はい。頑張ります。今日は、どうもありがとうございます。レコーディングが楽しみですね。
- 水野
- へい。それと早く……(プロデュースのアドバンス)ちょうだい。
- 篠田
- (苦笑)。すぐ使っちゃいそうだから、もうしばらく篠田が預かっておきましょう(笑)。
雑談を終えて
水野さんの“毒舌(というかヒヤヒヤ節~)”を絡めたお話(本ページ上では公開できない内容が多すぎる~)はいつもユニークで、篠田はいつも苦笑??&爆笑!!しております~。ちなみに、水野さんは金欲丸出しじゃありませんよ(笑)。対談内容から誤解されそうだから念のためにフォローをいれておきます(笑)。とにかく、とても個性的な方ですが、「自分の音」に対する自信や情熱は、何気ない会話の中にも伝わってきます。水野さんのプレイはいろんなライブやCDで聴けると思いますが、どこでも一貫した頑固なまでの自分のスタイルを持っていて、そこにとても大きな魅力を感じます。PIVOTのレコーディングでもきっと大暴れしてくれるでしょう~(笑)。
オマケのスナップ
- 篠田
- こうしてメガネを逆さにしてかけると、世界も広がりますね~。
- 水野
- ホンマヤな~。PIVOTはきっと売れるで~。
……(“夢”を膨らませて?沈黙)……