篠田元一 Special Night Vol.2
「篠田元一Special Night」は、もうほとんどバンド名になってきました。『Floating Colors』発売記念ライブ以来、この編成、趣向のライブは3度目(いずれも目黒ブルースアレイ)となります。今回も予想以上にたくさんの人がつめかけてくれました。とてもホットで、盛況な一夜となりました。ご来場の方々、ありがとうございます。心よりお礼を申し上げます。
今回のステージも、第1部はピアノ+弦楽四重奏、第2部でリズム・セクションが加わるという構成です。弦楽四重奏は前回と同じくカルテット彩、そしていつものリズム・セクション、さらに今回はゲストにトランペットの田中 淳氏(実はかなりMac使いとしても有名)を迎え、総勢10人による豪華バンド(Member ) となりました。さすがにブルースアレイのステージ上は所狭しと大変な騒ぎになっています。
弦カルのメンバーも、 リズム隊も、かなり曲に馴染んでもらっているので、以前に増してリラックスムードです。そして今回はいつもより演奏重視でいこうと。2曲の新曲を含め、1部2部ともに7曲。例によってMCも長いため(笑)、たっぷり2時間半のステージとなりました。
出演メンバー
- 篠田元一(Piano)
- 原田芳宏(Steelpan)
- 養父 貴(Guitar)
- 渡辺 建(Bass)
- 木村万作(Drum)
- カルテット彩
- 牛山玲名(Violin)
- 花房照子(Violin)
- 山本法子(Viola)
- 久保公人(Cello)
- ゲスト:田中 淳(Trumpet)
メンバーフォト
第1部: 演奏曲
- Cavatina
- Time and Air
- 朝霧
- エメラルドの波紋~Next Story
- Vari Dance
- 亡き王女のためのパヴァーヌ
- 夢の合間(新曲)
第2部:演奏曲
- エイプリルフール
- Night Wave
- Cape Wind
- One Night
- OVER IT(新曲)
- UPLOAD
- アンコール Desafinado
第1部は、ピアノ+弦カル編成による構成。今回も1部の曲は芸大でリハを行いました。チェロの久保君は今年卒業とのこと。おめでとう。今後の活躍に期待が持てます。前回と同じく「Cavatina」からスタート。お互いの呼吸合わせのためのリファレンスのような曲になってます。
ラベルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」と新曲の「夢の合間」ではトランペットの田中氏も参加。パヴァーヌはPf,Tp,Vn,Vc という編成でやったのですが、 Tpが入るだけでかなりCDとは違ったテイストになりました。未だにピアノは思うように弾けないのですが……。
「エメラルドの波紋~Next Story」はかなり良い演奏でした。もうレコーディング・テイクものです。
「Vari Dance」は言うまでもなく難曲。にも関わらずCDの3割増し?テンポでの演奏です(笑)。さすがに途中、乱れましたが、それでもスリリングな展開。彩カルのスキルアップを垣間見ました。ちょっと余裕すら感じたし。「夢の合間」は題名とおり、夢の合間に出てきたモチーフをもとに、突然寝床から起きあがって作曲を始めた曲です。どんな夢だったのかはよく覚えてないけど、レ・ド・ファ・レ…とずっと夢の中で鳴っていたんです(笑)。昨年末から今年にかけて、弦アレンジにはかなり時間をかけました。8分近い大作です。
第2部は、バート・バカラックの「エイプリルフール」からスタート。CDでは最後に収録した曲ですが、ライブでは弦カルも加えてリアレンジしています。「Night Wave」は、PIVOTから演奏している曲ですが、これも生弦が入ると、かなり曲の広がりが増してきます。ステールパンの原田氏も、ギターの養父氏も最高のフィーリングです。
「Cape Wind」は岬から吹き寄せる海風をイメージしながら作った曲。ちゃんとアレンジしてあるのは弦パートだけなので、演奏するたびにリズムの展開がコロコロと変化しますが、またそこがおもしろかったりもします。それにしても万作さんのドラミングは素晴らしいです。「One Night」はゴージャスなジャズ・バラード。今回も建さんは素晴らしいベース・ソロを披露してくれました。
新曲「Over It」から再度、田中氏が参加。この曲は、昨年、苦境?のとき、“乗り越えよう”と思って作った自分への応援歌です(笑)。ただし深い意味ありませんよ。カリプソ、16ビート、サンバと刻々とリズムが変化します。この曲では久々にピアノを弾きまくりました。気が付くと鍵盤は汗まみれ~。
「UPLOAD」は、ここ最近の定番曲。トランペットが入っただけで、かなりジャジィなムードになりました。一瞬マイルス・バンドのような展開に。この曲、実は弦も大変なんです。フレーズは複雑だし、ノリは微妙だし、構成は多いし。そしてアンコールはジョビンの「Desafinado」。ボサノバ特有の妙なコード進行とアンニュイなメロディがとっても魅力的なお洒落な曲です。彩カルもゴージャズな弦を聴かせてくれました。
次回のライブは6月頃を予定しています。ぜひご来場ください。