源氏物語交響絵巻 日本公演

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コンサート本番

本番

さて、いよいよ本番の日がやってきました。3.500人近く入るNHKホールはほぼ満杯に埋まっています。お客さんの層としては、冨田先生フリークに加えて瀬戸内寂聴女史を目当てにした方も混じった感じで、年齢的にはやや高めだったようですが、それでも、多くの学生風の方が見受けられました。2階のロイヤル・ボックス周辺には某皇族の方々、そして坂本龍一さんや松武秀樹さんをはじめとするミュージシャン、カメラマンの立木さんら、著名な方々もたくさん顔を揃えています。

コンサートに先がけて、瀬戸内女史の講演「源氏物語の魅力」が行われました。ユニークかつ親しみやすい話題(これが-笑……)を交えながら、ともすれば難解な源氏物語をわかりやすく語っておられました。僕自身、源氏物語に関しては、詳しくなかったのですが、瀬戸内女史のユニークなお話を楽屋で聞いているうちに、源氏物語の魅力に強い興味を抱くと同時に、先生の作品に対する理解を深めることができました(本当はもっと早く気付くべきたったと反省……)。いずれにしても、コンサートを直後に控え、瀬戸内女史のお話を聞いているうちに、気分的にもリラックスできたのは事実です。ちなみに瀬戸内女史の「源氏物語」は200万部を突破した大ベストセラー。一体、印税はいくらに……。

そして、いよいよコンサートのスタートです。オーケストラのチューニングは僕の鳴らすA-90のピアノのA音(442khz)で始まりました。最初の「序の曲」から、かなりいい感じ~と実感。曲が進むにつれて、ダイナミクスの機微な変化、メロディ・ラインの豊かな歌い回しなど、自分自身の演奏を含めて、“一番いい”と思われました。

ステージの上には、上の写真のように、大きなハイビジョン映像が曲の流れに沿って映し出されます。音楽の素晴らしさに加えて、この映像は僕の予想を遙かに越えた美しさがありました。ちなみに、映像とオーケストラ演奏との同期は不可能です。先生はこの映像の変化を確認しながらも微妙に指揮を変化させているのです。

そして、RSSの効果が大々的フューチャーされる問題の“生き霊”の場面。ここは上原まりさんの嘆き声との掛け合いで、いろんな音素材を僕が出していくところです。もしここで僕がしくじってしまったら……、ここはオーケストラも鳴ってないし、完全に“ス”の状態になってしまいます。当日のゲネプロでは、システム回りでいくつか原因不明のトラブルが発生していただけに、ここは脂汗をかくほど緊張していたのですが、どうにかうまくRSSサウンドが鳴ってくれました。1階階から3階席の客席にかけて多数設置されたスピーカーから、超立体的な神秘的かつ不気味なサウンドが縦横無尽に鳴ったときは、きっとお客さんは驚かれたことでしょう。そして、音が発した瞬間、さぞかしローランド関係者は安堵に満ち溢れ、涙したに違いありません(笑)。

最後の「ふたたび訪れる春~終局」を演奏し終えた瞬間、とても満足感が得られました。もちろん、100%完璧とまではいきませんでしたが、今まで通した演奏のなかで最高のものであったのは、冨田先生、和楽器の方々、オーケストラのメンバーも同じ気持ちにかられたに違いありません。

ちなみに、下に並べた写真はコンサート当日の模様ですが、本番中は番組収録などもあり、特別なカメラマン以外は写真を撮ることができませんでした。そのため、いずれも当日のゲネプロ時の模様ですが、雰囲気はここからも伝わることでしょう。

なお、国内での演奏は、現時点では残念ながらこれで最後ですが、このステージの演奏は完全収録されています。来年2月にはCD発売される予定ですので、ぜひ聴いてみてください。加えて、BS2やハイビジョン番組で放映されますので(<源氏物語メイン>参照)、これもお見逃しなく!

ツーショット本番直前での冨田先生とのツーショット。僕の衣装は学生服ではありませんよ(笑)。今回のために12万も出してマオカラーを新装したんですから~。
取材サンレコの取材を受けている最中、ここで上原まりさんが登場。演奏者の中で、ただひとり暗譜で通したのは関心してしまいました。唄も琵琶もさすがです。
打ち合わせ先生は、オーケストラとシンセ・サウンドの調和を最後の最後まで重点を置いている様子です。僕もダイナミクスの変化に細心の注意を払って演奏することを努めました。
ハイビジョン映像曲の進行、曲想に応じて、バックのハイビジョン映像も万華鏡のように変化します。
ハイビジョン映像 ハイビジョン映像
篠田元一
観世銕之亟氏後半の「出家」の場面では、 人間国宝の観世銕之亟氏が登場。小柄な方ですが、存在感の高さに圧倒させられます。音楽と能舞と相まって、幻想的な世界が拡張されました。
万雷の拍手すべての演奏を終えて、満場の拍手を頂いている場面です。

楽屋にて

楽屋にて本番直後の楽屋にて。友達や知りあいの方々がたくさん顔を出してくれて、一杯ねぎらってもらいましたが、ご覧のように、もう疲れた~って状態(笑)。でも、こんな充実感・達成感は久々です。
楽屋にてオマケに、僕の当日の楽屋を紹介。NHKホールの楽屋は結構少なく狭いんですよ。紅白歌合戦のときなんかは、さぞかし大変なんでしょうね(笑)。

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