冨田勲 新作『イーハトーヴ』制作ドキュメント

ステージステージ

ツーショット冨田勲新制作「イーハトーヴ」交響曲世界初演公演 (11/23)は無事、大成功のうち幕を閉じました。すでにいろんなメディアでも、このすばらしいコンサートの模様などが掲載掲載されていますが、今後もテレビでテレビ放映などでもピックアップされていくことでしょう。僕はオーケストラの中で鍵盤を使って初音ミクをリアルタイムコントロールする役目でしたが、ものすごい重圧と緊張があったのは言うまでもありません。僕のこの制作ドキュメントを振り返って頂ければ本番までの足どりもつかめるでしょう。このページも徐久に不定期ですが更新をしながらできるだけ舞台裏などもお見せしたいと思います(現在も膨大な写真の整理が大変!)。時折覗いてみてください。

先がけて藤本健氏が詳細な舞台裏のレポートを書いてくれております。ぜひご覧ください。

「冨田勲×初音ミク」コンサート実現の舞台裏

※ あくまでもオーケストラの中で初音ミクを鳴らすためのシステム作りやシンセパートに絞った独自のドキュメントです。

2012/5/8:はじめに

ツーショット5月のGW頃、久しぶりに冨田先生から、11月に予定されている新作の作曲のスコア書きを今までのような手書きでなく、譜面作成ソフトのSibliusを使いたいから、どんなものなのかを見せてほしいと連絡が入りました。数年ぶりに先生がウチのスタジオにお見えになり、このソフトの概要を説明させて頂き、とても気に入って頂いたようです。この直後に冨田先生は新しいMacBook Airも購入し、Sibliusを使った作曲に入りました。
その後、いろいろ細かい点をやりとりしている中で、最終的にはやはりソフトを使いこなすまでの時間もない、ということになり、まずは手書きでスコアを書き、それをお弟子さんがSibliusに入力する形をとりましたが、先生の新しいものへの探求心は脱帽ものでした。また、このとき、イーハトーヴでシンセを担当してほしいとお話を頂きました。冨田先生とは、長年にかけていろいろお世話になっておりますが、ウチのスタジオにお見えになったなったのは1998年の源氏物語コンサートの取材以来です。とにかく、新しいものへの探求心、創作意欲はまったくとどまりません。ただただ脱帽で、ご一緒させて頂くたびにたくさんの活力とパワーを頂戴しています。
ツーショット冨田先生とは、長年にかけていろいろお世話になっておりますが、ウチのスタジオにお見えになったなったのは1998年の源氏物語コンサートの取材以来です。とにかく、新しいものへの探求心、創作意欲はまったくとどまりません。ただただ脱帽で、ご一緒させて頂くたびにたくさんの活力とパワーを頂戴しています。

2012/6/26:オペラシティ下見会

オペラシティ本番の舞台となる初台オペラシティ・ホールにて、主要スタッフの最初の顔合わせとステージ作りの下見を兼ねた打ち合わせが行われました。もちろん冨田先生も同行しております。このとき予想以上に大がかりなステージになることが判明。すでに緊張が走ります。

2012/8/27:制作発表記者会見

ツーショット「イーハトーヴ」交響曲世界初演公演の制作発表記者会見が六本木ミッドタウンで行われました。オーケストラ(日本フィル/大友直人指揮)と初音ミクの共演がはじめて情報解禁となりました。僭越ながら僕もシンセと初音ミクのリアルタイムコントロールを担当することが公表されました。写真は冨田先生とクリプトン・フィーチャー・メディアの伊藤博之代表とのショットです。

2012/9/7:制作ミーティング

ツーショット 打ち合わせ

制作ミーティングが公演場でもある東京オペラシティで行われました。やはり懸案事項の中心は初音ミクのリアルタイム処理。冨田先生はもちろん、初音ミクや映像のコアメンバーが集まり、長時間、激討論が展開されました。ちなみに、このミーティングの模様はそのままTV番組のドキュメントとしても収録されています。

2012/9/21:初音ミク検証会〜その1

検証会初音ミク・チームによる最初の検証会が行われました。冨田先生のお弟子さん、クリプトン・フィーチャー・メディアの主要スタッフらが市ヶ谷のスタジオに集結。今回も某局のTV取材が入りました。オーケストラの中でミクをどう歌わせるのか…長いトンネルから少しずつ光が見えてきました。この検証会は今後も行われていきます。 なお作品の中でシンセパート強化ということで弟子のジミー(岩崎健一郎)もこの公演に乗る流れになりました。

2012/10/7:新宿電子楽器祭2012

ツーショット直接イーハトーヴ制作ドキュメントとは関係ありませんが、新宿電子楽器祭(シンセフェスタ)が10/6-7に行われました。その中で<冨田勲「月の光」を完全解剖~ 冨田勲の新作交響曲「イーハトーヴ」を語る>というコンテンツが組まれ、松武秀樹氏と司会進行を務めさせて頂きました。冨田勲先作品の単なるサラウンド試聴会から曲作りやサウンド分析まで話しは広がり、さらには超レアなビデオなどもご覧頂きました。後半はイーハトーヴにおける裏話などもさせてもらいましたが、まだ内緒だらけであります(笑)。ご来場の方々とともにとても充実した楽しい時間を過ごさせて頂きました。

2012/10/9:初音ミク検証会〜その2

第2回初音ミク検証会がウチのMOTO MUSIC STUDIOで行われました。冨田先生をはじめ、クリプトンの主要スタッフ、初音ミクのエディット担当の漢那拓也くん、新たに加わったサブ・シンセ担当の岩崎健一郎らとともに、長時間にわたりミクの歌わせ方についてさまざまな角度から検証が繰り返されました。システム的には大枠が固まり、あとはブラッシュアップを重ねていきます。めちゃくちゃ大変な作業ですが、みんなで一丸となって新しいことにチャレンジしていくことは楽しいし、その探求心やパワーはみんなホントすごいです。今回もTV取材が入り、その過程を収録しております。 長い1日の最後はみんなで近所の定番居酒屋「たぬき」でねぎらい会だか決起集会だかわからぬ楽しい宴で締めくくられました(笑)。

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