冨田勲先生との想い出、そして感謝…

昨日は冨田勲先生のお別れの会でした。
冨田先生との別れを惜しむ大勢の方々がご臨席しました。とても寂しく、個人的にも長年にわたる数々の想い出がありますが、昨日の会を終えて、冨田先生がお亡くなりになったことが実感としてやっと受け止めることができました。
会を終えて、冨田先生との関係が深い方々が数名集まり、冨田先生をしのび、惜しむ会も行われ、長い時間にわたり数々の想い出を語り合いました。

冨田先生は、相手がどんな立場の人であっても、分け隔てなく屈託なく明るい応対をして頂ける、本当に自然体のお方でした。僕自身、印象に残るこんな想い出話があります。
冨田先生からは、よくお食事のお誘いを頂きました。無論、いろんな高級なお店にもお供させて頂きましたが、基本的には食べたいものならば、どんなお店にも行かれます。ある昼時、都心から離れた駅で待ち合わせをしていたのですが、お会いするやいなや、「おいしいお蕎麦屋さんがあるから一緒に行こう」とお誘いを頂きました。一体どんなお蕎麦屋さんに連れて行ってもらえるのだろう、と期待していたら、入ったのはまさかの駅側の立ち食い蕎麦屋さんでした。それもお世辞にもあまりきれいなお店ではありません。お店に入った瞬間、店内は湯気と揚げ物の油で充満していて、お店の方やお客さんの中には冨田先生だと何気に気づいている様子。しかしながら「ここは蕎麦だけでなく、天ぷらもおいしいんだよ。篠田くんもどんどん注文しなさい」、と周囲の目を一切気にせずに笑顔で無邪気そうに食している冨田先生、自分は「世界のTOMITA」と一緒に並んで立ち食いそばを、横目で先生を気にしつつ、まわりをキョロキョロしながら食べている図…汗 自分はあまりに落ち着かず食べた気がしなかったのですが(笑)、こんな飾りのない、ありのままが、冨田先生なのです。このような話を挙げたらキリがありませんが、僕はこんな冨田先生も大好きでした。

冨田先生との仕事面での写真は今までにも何度かアップさせて頂きましたが、改めてそれ以外のオフショットなどを含めると、ものすごい枚数の写真がありました。ここでいくつかピックアップしてみます。写真ごとの想い出もありますが、冨田先生からは音楽だけでなく、人としてのあたたかさや、自分自身の生き方、考え方を見つめ直すきっかけを与えていただいた大きな存在でした…

写真を見てもわかるとおり、冨田先生とのスナップは大半が笑顔なのがわかるでしょう。ものすごい雲の上の人なのに、肩で風を切るような応対なんて一度もなかったし、こちらに気を使わせないような笑顔でいつも接してくれました。僕はよく現場でミスをしてきましたが、必ずあたたかいフォローを入れてくれました。もうこの辺を話し出したらとまらなくなります…。音楽面のすばらしさはもとより、冨田先生は人としても本当にすばらしい方でした。

寂しさがこみ上げてきます…

冨田先生、ありがとうございました
心より深く感謝いたします

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