第6回: 矢堀孝一 氏
- 篠田
- PIVOTはさ、いつもライブだと、おそろしく全然違う展開になるじゃない(笑)。
- 矢堀
- それはそうあるべきだと思うよ。前に、大学の頃だったかな、誰かのライブを見た時に、まるでCD聴いてるみたいだったことがあって、もの凄くつまらなかった。んで、ウエザーのむかーしのビデオ映像というのがあって、「バードランド」とかやってるんだけど、CDとまるで違うなんだかえらく未完成な感じの演奏だったりするんだけど、「いい感じ」なんだな。ウエザーに関してはエレガント・ピープルの東京公演の録音とかってのがあって、これなんか死ぬほどいい。もう、アルバムの比じゃないのよ。それを先に聴いてからアルバムのを聴くと「な、なんじゃこりゃ(つまらん)」なのよ。だからライブ重ねるごとに楽曲は変化してった方が面白いし、人間がやってる以上、そうなって欲しいのよ。
- 篠田
- そうだね。ライブで演奏するときは、僕たちもいろいろ発見をしながら演奏したいしね。それがなきゃ、曲にすぐ飽きちゃうし。この間のレコ発記念ライブでも、ステージでみんなで曲を創っていくような感覚があって、それが一番楽しかったなぁ。それにしても、矢堀、水野とくるとフラジャイルの臭いが強いでしょ。あの音数のなかで、篠田が入り込んでいくのは結構大変なのよ(笑)。
- 矢堀
- フラジャイルはそもそも3人でもその倍くらいの人数感あるからね(笑)。だいぶ長くやったからそういう音作りとか奏法とかが自然と身に付いたのかも(笑)。
- 篠田
- まぁ、これからもいろいろ毒を吸収しますから(笑)。ところで今回の力作コンテストのゲスト・ステージもおもしろかったね。マルチから万作さんと水野さんのベースを取り出すと、もう全然小節の頭わかんないの(笑)。
- 矢堀
- もう、あそこまで行くと逆に諦め付くから色気でなくていいかも(笑)。あれだけ(ベースとドラムだけ)でも絵になってるしね。
- 篠田
- しかし、よく俺達さ、Macintoshの話で昔から盛り上がるね。
- 矢堀
- はっきり言って完全にヲタクです。もうさー、マック買ってからというもの、なんでもかんでもマックでやろうとするんだよね。落書きをファックスするなんてさ、はっきし言って手書きでファックスすりゃいいのにいちいちドローソフトで書いてファックス・スタッフで送ったりするんだよね(笑)。でもなんかそれが完全に楽しいんだわ。
- 篠田
- 昔、yaboから夜中によくわかんないマニアックなFAXが送られてきて爆笑してたなぁ(笑)。篠田を通信の世界に深く導いたのもyaboだね(笑)。
- 矢堀
- もとを正せば新澤君のせいなんだけど、MIDIデータを通信で送るなんて夢のようだったねー。なんか時代が急速に自分の回りで変化していく様を体感してるようだった。大袈裟か。マックはなんか仕事のようでアソビみたいで……。 HD交換したり、メモリー追加とかってなんかそそられるアソビだよね(笑)。でも実益は十二分にあるという。アソビっていっても他にバーベキューくらいしかやらんでしょ、私ら。
- 篠田
- あ、そうね最近、バーベキューやってないね(笑)。yaboはよく市場まで買いだし行ってたじゃん(笑)。
- 矢堀
- なんか俺も最近マンションだし、みんな忙しいしね。でもよく働き、よく遊ばないといかんね。篠田さんのとこはバーベキュー環境としてはいいよね。今度は家の中に生け簀作ってさ、鮎とか虹鱒とか放流しといてよ(笑)。
- 篠田
- ウチのスタジオのブースのガラス窓に水を入れて、生け簀にしようか(笑)。庭に池を作ると運勢悪くなるって話よくあるから、それは絶対やらない(笑)。昔はさ、養父の家の屋上でもバーベ一緒にやったじゃない。冬でもうずぶれながら(笑)。ナベバーベだっけ。
- 矢堀
- 養父さん、最近会いますね、学校で。ヤツもね、バーベにはうるさいんですよ。
- 篠田
- そうなんだよねぇ。肉の焼き加減は感性が通じ合わないけど(笑)。今度さ、水野さんを誘ってみようか(笑)。
- 矢堀
- あの人は暑いのとかキライそうだからなんかコワくて誘えなかったんだよね(笑)。でも実は意外と好きだったりするのかな。
- 篠田
- 結構、楽しむかもよ。
- 矢堀
- なんかそんな気もするんだよね。
- 篠田
- ホントは、この夏、水野さんとディズニーランド行こうって計画もあったのよ(笑)。TDの合間、その話題で盛り上がったの。
- 矢堀
- けっこうハマリかも(笑)。あ、、、….水野さんがジェットコースターに乗っている姿。。。ちょっと強烈かも(笑)。ふー、じゃ今度さ、伊豆下田のZIZOの石原社長宅に行こうよ。一緒のレーベルでお世話なったし。
- 篠田
- ホントは、この夏、水野さんとディズニーランド行こうって計画もあったのよ(笑)。TDの合間、その話題で盛り上がったの。
- 矢堀
- 石原宅はすごいですよ。新築だし。海が近いし。ついでに治療もしてもらうといいかも。また行って薫蒸でもしますか。薫蒸、最近やってるんだけど、すんごくいいね。我々って、日頃ハムとかベーコンとか喰うけど、ほっとんどインチキだって知ってた?薫蒸してるんじゃなくて、薫蒸液というのに浸して、着色してるんだと。ふざけんなよ、ってかんじ。でね、ほんとに薫蒸をかけたモノってのはまるで違うんだよ。ベーコンなんてそのまんまばりばり食える。
- 篠田
- そう興奮しないで落ち着いてちょうだい(笑)。「美味しんぼ」の山岡みたいな熱弁だ(笑)。yaboは食にはホント、うるさいからね。昔から超B級グルメだし。yaboのマンションの中はいつもカレーの香りがするけど、明らかに手の込んだ臭いだ(笑)。yaboは結構マメだよね。料理だけじゃなくて日曜大工も得意じゃない。
- 矢堀
- 日曜大工は昔から好きでね。すんごく丁寧にやって、まるで製品のようだ、と言われるのが楽しみなんだな。昔からネジを使ってなにか作るのが好きで、例えばラックのミキサー・ドローワーとかパーツ買ってきて自作したんだけど、薫蒸とはまた違った良さがあるね。あれこれ工夫して失敗とかして、それで最後にうまくいったときはたまんないね。レコーディングも一緒か。
- 篠田
- 確かに(笑)。前さ、カベのペンキも自分で塗ってたよ。信じられなかった。
- 矢堀
- カベじゃなくて天井だと思うよ。意外と内装だって時間があれば結構ちゃんと出来るんだよ。今の時代はなんだか、なんでもかんでも業者がやるのが当然という風潮だけど、そんなこと言ってたらやることなくなっちゃうと思わない?
- 篠田
- 今度、ウチの事務所の天井の壁紙も張り替えてよ(笑)。そうそう、犬小屋もそろそろリフォームしないとかわいそうなんだ(笑)。
- 篠田
- フラジャイルはライブを休止するようだけど。
- 矢堀
- まあ、それほど大それたモノではないんだけど、かなり可能性は追求して加速度的にやってきたから作品がイマジネーションを追い越し始めた感じもあって。フラジャイルがなんかでっかい生き物になってきたんだと思うよ。だから消極論ではないんですわ。僕的にはもっと自分の力をつけたいと。
- 篠田
- すごくわかる気がするね。というか、よくここまで続いたと言うべきか(笑)。それにしても、yaboは毎月、ピットインに一杯出てるよね。
- 矢堀
- それもその一環…かな。いまやハコと化してますが(笑)。このごろ特にジャズっぽいセッションをやってるんだけど、やっぱ今の自分には大切なことだとか思うし、そういう活動自体もかなり面白くて、それはそれで継続していきたいものもあるね。
- 篠田
- 最後に、いま、一番何やりたい?
- 矢堀
- カレー作りたい(笑)。音楽としてはもっと自分を磨いてですね、可能性を広げたいですな。
- 篠田
- いろいろ忙しいようだけど、PIVOTもよろしくね(笑)。
- 矢堀
- ブレーク!とかいう状況になるといいよね!まーたぼちぼちベリー難しい新曲が出てきそうな…(笑)。お手柔らかに。
- 篠田
- がんばってもらうつもり(笑)。今日はどうもありがとう。