Foresight 制作ドキュメント
オーバー・ダビング (シンセ・パート、ストリングス)
2つのバンドによるリズム・レコーディングが終わり、次はシンセ・パートやストリングスのダビングに入りました。ストリングスのダビングはリズム・レコーディングが終わってから約1ヶ月先に予定されていたので、その間にシンセ・ダビングとストリングスのスコア書きをじっくりと行うことができました。シンセ・ダビングといっても、全体的にそれほどシンセ・サウンドの比重は大きくないので、それほど凝ったことはしておりません。ただ、長年しまい込んでいたMinimoogを本作のレコーディングに先がけてオーバーホールに出し、最高のコンディションで鳴らせる状態だったので「Syaos」や「Presto」では大フィーチャーして使っています。
ストリングスはザ・芸者ストリングスにお願いしてあり、アレンジはかなり練り込みました。ストリングス・アレンジはすべてリズム・レコーディング後からはじめていますが、前述したように「White Line」は孝三さんのユニークなドラム・フィルから影響を受けてラインを書きました。また「Angela」はジョセフ・ウィリアムのボーカル・トラックを乗せてからアレンジしています。ボーカルとピアノの中に、弦楽四重奏を加える作業はかなり難しかったのですが、結構満足のいくスコアが書けました。「Cavatina」は当初はピアノ+弦楽四重奏の編成でアレンジしていたのですが、レコーディング当日、ストリングスの素晴らしい空気感の中にピアノは不要と判断し、弦カルだけのサウンドに急遽変えました。これがとても上手くいったようです。ストリングスは10曲中5曲に導入していますが、ザ・芸者ストリングスのみなさんの演奏の素晴らしさもあって、狙ったサウンドはほとんど目論見どおり実現できました。





「White Line」「Angela」「Cape Wind」「Cavatina」「Desafinado」の5曲分のストリングス・レコーディングは14時スタートで20時頃にはすべて完了してました。この日のために周到にスコアを書いたし、みなさんの演奏能力が高いので、スムーズに進められました。