冨田勲 新作『イーハトーヴ』制作ドキュメント

Share Button

2012/11/2:初音ミク検証会〜その3

グループショット

ここからが、イーハトーヴ交響曲コンサート(2012/11/23)の終了後からの更新になります。ここで今回の初音ミク制作チーム(音関係)のスタッフをご紹介します(敬称略・左より)。

岩崎健一郎 (ジミー)

弟子でもあるジミーは今回のステージのサポート・シンセサイザーを担当。当初、シンセ関係は全部、僕がやる予定でしたが、冨田先生から手回しオルガンやリード・オルガンの伴奏の上にミクを唄わせたいということになり、急遽参加になりました。

篠田元一

僕自身は初音ミクのステージでの演奏・初音ミク音楽監修という役目を頂きました。

漢那拓也

冨田先生のもと、初音ミクの音源制作(俗に調教と呼ばれるもの)を行ったのが彼であります。

冨田勲先生

ミク・チームの総合プロデューサーであります冨田先生には。我々に対して常にどんな細かなことでもご意見・ご指導を頂きました。ほとんどのすべての作業現場にも立ち会って頂いております。

ことぶき光

オーケストラの中で初音ミクを鳴らすための同期・バックアップ・システムの構築を担っています。

百々政幸(MOMO)

複雑なミクまわりのミキシングやことぶき氏との連携でシステムをサポートしてくれています。

関本亮二(クリプトン・フューチャー・メディア株式会社)

ミク・チーム内の細々した作業全般のコーディネイトやサポートを担っていただきました。

以上に加え映像関係では藍啓介(クリプトン・フューチャー・メディア株式会社) 氏などが担当しております。

 

3回目の初音ミク検証会の模様です。今までミクの唄わせ方などでさまざまな試行錯誤が繰り返されてきましたが、もうこの辺で最終的なシステムをFIXさせなければなりません。このとき本番まで3週間です。システム構築の要はことぶき君ですが、この日、運び込まれた機材を見て圧倒されました。事前にメールなどのやりとりでシステムはどんどん巨大化されていくのは把握できていたのですが、こうして実際に組まれていくと、こんなに大がかりになってしまったわけです。しかし、単音のミクの歌声を指揮に合わせてオーケストラの中で鳴らし、しかも強固なバックアップ体勢を作るためには、ここまでやる必要があったわけですね。この検証会で作られたシステムの大半が本番ステージでも組まれていますが、システムまわりや各スタッフの役割などは藤本健氏の<「冨田勲×初音ミク」コンサート実現の舞台裏>でも詳しく紹介されています。興味のある方はぜひご覧ください。

なお、システムが固まったからといっても、実際、どう鍵盤プレイでミクを鳴らすのか、また漢那くんの調教作業などのツメはまだこれからです。個人的にはこれだけシステムが大きいと逆にトラブルが起きないのかなど新たな心配も出てきたのは事実です…。

<余談> MacBookProなどを乗せた折りたたみの小机3台。何かで使えるだろうということで、実は貯まっていた楽天ポイント(笑)で購入し当日届いたもの。開封一番に使ってみたら全員イイ感じ〜wってことになり、その場で関本くんもクリプトン用にネットでオーダーし、本番もそれを使っております。うちらが何台も買い占めちゃったので、もうこの商品は売り切れておりましたw(笑)。

グループショット 07

これも余談ですが、翌11/3の祝日は僕の弟子が集うバーベキュー大会でした。これにミク制作チームも急遽参加することになりました。みんなほぼ徹夜に近い状態での参加でありますが、弟子達もすんなりと溶け込んでくれて何より。 まぁとにかく、本番ステージは我々はものすごい緊張の中で信頼とチームワークが大事だし、こうした宴を通じて親睦を深められたというのも、本番を無事に乗り越えられたひとつの要因になっているのかもしれません。

漢那くんとの作業

機材たち 漢那拓也氏

システムが固まった後は、漢那くんの調教作業もブラッシュアップが押し進められ、またそれを僕が演奏する鍵盤にどうのように割り振るのかなどの共同作業も急ピッチで進められました。漢那くんのデータは冨田先生のチェック後、鍵盤上にアサインしていくわけですが、せっかく表情豊かに唄われているミクの歌声も、鍵盤に細かく分断してアサインしてしまうと、魅力的なニュアンスなども失われてしまいます。オリジナル・データの再現と演奏性、これを両立させるためのやりとりは、何度も何度も繰り返されました。 僕が要望をだせばデータはWINとMACでいったりきたりで大変な作業になります。漢那くんは本当にがんばったし、自分も漢那くんの作成したオリジナル・データを可能な限りスムーズに再現させるべく、練習を重ねていきました。今回のミクを鳴らすアプローチは、一見シンプルなようで、実はそこに、ものすごいこだわりやノウハウが詰め込まれています。

2012/11/7:オペラシティ打ち合わせ

オペラシティツーショット

11/7、公演ホールとなる東京オペラシティにて、主要出演者、舞台監督、コロムビアの録音チーム、PAスタッフ、映像チーム、合唱の代表者などが一同(総数50名以上)するミーティングが行われました。これだけ大勢のスタッフ関係者が集うのがこれが最初で最後ですが、今後の大まかなスケジュールの確認などはできたものの、まだこの段階ではオーケストラとミク・チームのステージ配置、PAのモニターなどをどうするのかなど、決めなければならないことが山積みでした。パーカッションを取り仕切る梯郁夫氏(右上)とも久々にお会いし、タイミングのシビアなミクのモニターをどうするかなどを打ち合わせしました。これだけ大規模なコンサートのわりに、具体的なことがなかなか進んでおらず、正直、本当に大丈夫なのか不安だったのですが……。

パイプオルガン客席

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です