冨田勲 新作『イーハトーヴ』制作ドキュメント
ここからは久々の更新です(2013/2/4)。昨晩、NHK Eテレにて今回のイーハトーヴを特集したドキュメント番組が放送されました。音で描く賢治の宇宙 ~冨田勲×初音ミク 異次元コラボ~
NHKの半年にわたる密着取材をとてもわかりやすくまとめたすばらしい番組でした。ただ、一般の方がご覧になる番組なので、今回のミクのシステムの詳細や冨田先生と我々で度重なる検証会などは膨大に取材収録されていたものの、限られた時間枠ではやはり割愛せざるおえなく、その辺の申し訳なさや心苦しさはNHKの担当ディレクターである宮崎将一郎さんからも伝えられました。とはいえ、ミクをスムーズに唄わせるためにはどれだけ難関があるのかは、わかりやすく視聴者に届けられたと思います。冨田先生自身も、「放送で最も嬉しかったことは、テクニカルを超えて賢治の世界、心が違和感なく視聴者に伝わったこと」と申してます。ミクをオーケストラの中で鳴らすためのハイテクさをアピールするより、一人の魅力的なシンガーとして普通に自然に聴かせること(ここが難しいわけですが・笑)が僕もミクチームも、総意であり役割でもあるわけですから、この点は大成功だったと思っています。
番組内では割愛された検証会やリハーサルの模様、舞台裏などは、この制作ドキュメントからも十分伝えられるものと思います。冨田先生は既に再演に向けて動き始めています。近いうちにきっとアナウンスできるでしょう。ブラッシュアップされたミクの歌声もお届けできるでしょう。楽しみにしててください!
2012/11/19:オーケストラとのリハーサル1(杉並公会堂大ホール)
大友氏の指揮は明解ですが、何より、僕がどれだけ神経を使って大変な演奏をしているのかを最初にオケ・メンバーの前で伝えてくれて、これが僕の重圧をかなり和らげてくれました。とは言え、いざ大指揮者を目の前にして背後にはフルオーケストラに囲まれてという状態では、緊張しないわけがありません。それまでできたことが何度もまちがえるし、ミクの歌声はスムーズにつながらないし…実践の中では予想以上に難しい演奏であることを改めて実感。あー、ほんとできるのか..って。冨田先生も大友氏も、それにオケメンバーも温かく見守ってくれているのがわかるだけに、ツラかったりもして…。この日は自分じゃ50点以下でした。