PIVOT 制作ドキュメント

プリプロダクション

プリプロ

PIVOTのCDデビューが決まってから、まず実作業としてスタートさせたのは、曲やサウンドの下地作り、つまりプリプロダクションでした。これは3月あたりから徐久に進めていきました。収録曲はライブなどで何度となく演奏してきたものが中心なのですが、レコーディングとなれば、曲構成やアレンジなども再度、練り直す必要があります。また演奏メンバーも違うので、今回のメンバーのキャラクターを引き出せる展開を考えないといけません。

スタジオと隣接する建物の3階が僕の事務所部屋(下写真:スタッフは2階に集中させてます-笑)なのですが、プリプロはここで行っています。実際のプリプロは、MIDIシーケンサーにDTM音源というレベルで行っていますが、これは他の作曲者も同じで、MIDIデータのやりとりはメール上で行いました。ただ、みんな同じDTM音源を所有しているわけではないので、特別な趣向の音色は使わず、あくまでもGMレベルの音色しか使っておりません。

サウンドを細かくつかんでいこうとすれば、必然的にデータのクオリティも上がっていきますが、なるべく作り込みすぎないようにしました。あまりイメージが固まったものを渡してしまうと、各メンバーのアイディアを制約してしまうからです。とは言ってもこのメンバーだと、いくら作り込んだデータを渡しても、勝手に“個性溢れる毒”を盛り込んでくれますが(笑)。それを期待してたりもします。ホント、みんな優れたプレーヤーですから。譜面も結構、細かく書きましたが、主張半分/お任せ半分といった感じで、どうしても譲れないベース・ラインなどはたとえ水野さんであってもちゃんと守ってもらったし(笑)、リズムの傾向もデータを含めて万作さんに詳しく伝えました。矢堀くんにも合わせてほしい特別なコード・サウンドは伝えました。

機材たち

ちなみに、僕が最初にメインで使うシーケンサーは、何と昔のPC-98のDOSでしか動作しないクアテック社の「Tool de Music Studio」です。だから、未だにPC-98はwindowsとは別にDOSのパーテーションを切っています。どうもハイテクのシーケンサーは、まどろっこしい(笑)。ワープロよりもテキスト・エディターという感じで、このソフトを使っているのですが、実際、めちゃくちゃ快適だし、ハイテクのシーケンサーにも搭載されていないような優れた機能が満載しています。ホント、このソフトは手放せません(当然、バージョンアップは臨めませんが…)。
ある程度出来上がったデータは、プリプロの段階でも一部のピアノやシンセ類はオーディオも含ませる必要もあったのでMacのDigital Performerにデータを移します。MIDIデータも感覚的なデータ修正などはPerformerの方がやりやすいから、ここで最終調整しています。

モトミュ-ジック内では、スタッフ間はもちろんのこと、隣接するスタジオともイーサーネットでばっちりネットワークが組まれています(インターネット環境は256Kの高速ケーブルネットで構築してます)。オーディオを録音したくなれば、スタジオに行けば即録音できます。その後はメンバーの生演奏の収録に先駆けて、MIDI&オーディオのデータはCubaseファイル化させます。オーディオの取り込みは、やはりCubaseの即応性に勝るモノはない、とスタッフから強く押されたからです。実際、確かにそうでした(笑)。

プリプロ

篠田のプリプロ段階での使用機材

  • COMPUTER/SOFTWARE
    PC-9821 V166(Tool de Music Studio)
    Power PC G3 400/320M(Digital Performer4.61)
    PowerBOOK 2400(G3/400 Ver.Up)(Performer6.03)
  • MASTER KEYBOAD
    Roland RD-600
  • SYNTH MODULE
    Roland SC-88pro,SC-8850,JV-2080
    YAMAHA MU128
  • MIDI INTERFACE
    MIDI EXPRESS
  • MIXER
    MACKIE CR-1604
  • MONITOR SPEAKER
    YAMAHA NS-10M
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